ベンチプレスの正しいやり方

ビッグ3である「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」のうちの一つがベンチプレスです。ビッグ3の中の一つなので、それだけ有名でありメジャーな筋トレです。

ベンチプレスは大胸筋をメインに鍛えることができ、そのほか三角筋と上腕三頭筋も鍛えることができます。

ベンチプレスのチェックポイント

ベンチプレスをおこなうときは、正しいフォームで持ち上げないといけません。闇雲にバーベルを下ろして上げての繰り返しでは、筋肉への効果が限定的になってしまいます。高重量のベンチプレスができないばかりか大胸筋に効かせることもできません。

肩甲骨を寄せているか

ベンチプレスをおこなう場合、ベンチプレス台に仰向けになり両足は床につけます。肩甲骨を背中の中央に寄せてベンチプレスをおこなうことで正しいフォームになります。ただ寝そべりバーバルの上げ下ろしをするのではなく、肩甲骨を寄せるイメージを持ってベンチプレスをすることがコツになります。

1.ベンチプレス台に仰向けになり、バーベルを肩幅よりも広く握る。

2.両肩の力を抜いて、肩甲骨を中央に寄せます。

3.そのまま動作をおこなう。

動作を始める前に、肩甲骨を中央に寄せる意識を持つこと。実際に肩甲骨を中央に寄せながらベンチプレスをするクセをつけましょう。

プロ選手のベンチプレスです。お尻・両肩・頭をベンチ台にピッタリつけてのベンチプレスです。相当な技術と練習量がないと真似できません。十分に肩甲骨を寄せて胸部だけ反らせています。

体の4点をしっかり着地させているか

スポーツジムで高重量のベンチプレスを行なっているトレーニーを見かけますが、よく観察すると「お尻を浮かせていたり」「つま先立ちになっていたり」「バーを胸でバウンドさせていたり」とフォームが目茶苦茶になっているトレーニーがほとんどです。

お尻を浮かせることは、バーと胸が接近するのでベンチプレスもしやすくなります。バーを胸でバウンドさせることは、反動を使ってベンチプレスをすることになり、しっかりと筋肉へ効かせることができないばかりか、肋骨を痛めるなど怪我のリスクも高くなります。

ベンチプレスは「後頭部」「肩甲骨」「臀部」「両足」の4点をベンチプレス台と床に接地するようにしましょう。実際の競技においても頭を動かすことは禁止ですし、一度床につけた両足は動かしてはいけません。お尻を浮かすこともルール違反になります。

バーをバウンドさせていないか

ベンチプレスバーを胸までおろす際、胸にバウンドさせながらベンチプレスを行うトレーニーを見かけます。バウンドさせることは反動させることであり、別名チーティングとも呼ばれています。

チーティングは悪いことではないですし、チーティングを使った筋トレ方法もあるので駄目とは言えませんが、ことにベンチプレスにおいては、重量もあるために怪我のリスクが高くなってしまいます。

勢いが強いと肋骨に負担がかかり、痛めてしまったり骨折もあり得ることです。心臓も非常に近いことから十分に注意することが必要です。ベンチプレスで亡くなっている人が毎年いるのも事実です。

セット数は3〜5セットを目安に

ベンチプレスのセット数は3〜5セットを目標にしていきます。メイン重量の前に軽い重量でのベンチプレスを行い、身体を十分に温めておきましょう。目標設定が80kgのベンチプレスなら20kgのバーのみでセットを組みます。徐々に重量をアップしていき、最終的に80kgのベンチプレスに挑戦するようにします。


身体を温める意味としては、怪我の予防や筋肉が温まることによって、高重量でもパワーを発揮しやすくなるからです。

インターバルのとりすぎに注意

インターバルとは筋トレのセットとセットの間の休憩を指します。このインターバルを取りすぎてしまうと温まった筋肉の熱が逃げてしまいます。またインターバルのとりすぎは集中力の低下につながります。

一般的には3〜5分のインターバルを取りますが、筋肉を太く大きくしたい場合はインターバルを短めに設定して、狙った筋肉を追い込むようにします。逆に高重量で追い込みたい場合は、インターバルを長めに設定して筋疲労をとってから次のセットに移ります。

インターバルが短いと筋疲労が回復していないので、思うように高重量で追い込むことができません。

インターバルのまとめ
・筋肉を太く大きくしたい目的ならインターバル2分がおすすめ。
・高重量で追い込む場合は、インターバル3分〜5分がおすすめ。

2日以上休息をあける

ベンチプレスのトレーニング頻度としては中2日(24時間)あけるようにします。ベンチプレスで使う筋肉は大胸筋と三角筋と上腕三頭筋になり、体の中で大きな筋肉が大胸筋になります。よって、十分に休息期間を設けないとすぐにオーバートレーニングになってしまいます。


これは高重量で追い込むほどに休息期間が大きく必要になってきます。目安としては2回/週が適切でしょう。ですが、ベンチプレスで2回/週のトレーニングをするのは時間がないとできません。1回/週のベンチプレスのトレーニング頻度でも十分に筋肉を発達させることができますし、徐々に重量を上げていくことは可能です。

重量が重いほどフォームがくずれやすい

正しいフォームでベンチプレスをしないと高重量が上げることができず怪我のリスクも高まります。それに、正しいフォームは狙った筋肉を鍛えることができるので、ベンチプレスであれば大胸筋を効果的に鍛えることができます。

重量が重くなり無理をするようになるとどうしてもフォームが崩れてしまいます。ある程度は仕方がないことですが、常に自分のフォームを確認して、フォームを意識しながら追い込むことが必要になってきます。

スタッフや友人に確認してもらうか、もしくは動画撮影して自分のフォームをチェックしていきます。結構アンバランスに持ち上げているトレーニーは多く見かけられますし、高重量になるほどにフォームが崩れやすくなることを理解しておきましょう。

バーは握るより手のひらに乗せる

ベンチプレスでバーを握る際に、指側にバーを寄せてしまうことで手首が曲がった状態でベンチプレスをしてしまうトレーニーがいます。高重量が上がらないばかりか手首を怪我してしまうリスクが高くなってしまいます。

バーは手のひらに乗せる感じでベンチプレスを行うと、手首も真っ直ぐに伸ばせて関節への負荷が小さくなります。手のひらに乗せるだけでは滑って落ちてきてしまうのでは?と思うかもしれませんが、親指の付け根あたりでバーを握ると手首を立てることができて、ベンチプレスでの高重量に耐えられるようになります。

ラックの高さを合わせる

バーが乗っているラックの高さが低すぎると、バーを持ち上げる際に肘を大きく曲げる必要が出てきます。肘を大きく曲げると肘をまっすぐにした状態(スタート位置)までに距離ができてしまい、余計な体力を消耗してしまいます。そのため高重量になればなるほどラックの高さが重要になってきます。

ラックの位置が高すぎる場合は、肘を大きく伸ばさないラックからバーを持ち上げることができずフォームが崩れてしまいます。ちょうど良いラックの高さとは、バーを持った際に軽く肘が曲がるくらいのラックの高さにすると良いでしょう。