握力の鍛え方

握力は重いウェイトを持ち上げたり、デッドリフトや懸垂をするのに不可欠な筋肉です。ですが握力の鍛え方がわからない人も多いはず・・・より強く握力を鍛えると、その他の筋肉の成長にも役立つので、今回の記事では「握力の鍛え方」について紹介します。

ボトムズアップケトルホールド

ボトムズアップケトルホールドは、握力を強化するだけでなく、広背筋や肩の三角筋に作用して、全身も鍛えられる優れたトレーニング方法です。ボトムアップホールドを初めて行う人は、ケトルベルに慣れていない事が多いため、軽い重量から始めてみましょう。

①両足を肩幅くらいに開いて、片手でケトルベルのハンドルを持ちます。

②ケトルベルを持った方の片膝を床につけて、もう一方は立膝にします。

③もう一方の手を使って、ケトルベルの底を上に向けてウェイトを逆さまの状態にします。

④肩が緊張しないように肩を下げるようにして、ケトルベルをしっかりと握り、広背筋と体幹に力を入れてケトルベルを安定させます。

⑤この姿勢を10秒間キープします。10秒できたら30〜45秒まで伸ばしていきます。ホールドが長ければ長いほどグリップ力を鍛えることができます。

ホールドエクササイズにはそれ自体に握力への効果があります。

プレートピンチ

プレートピンチについて説明します。プレートピンチは前腕の筋肉をトレーニングするための最適な方法です。バーベルに使用するプレート(重り)でピンチグリップを実践し、プレートの重量を増やしたり反復回数を増やしたりすることで、握力強化と前腕を強化します。

①片手でプレートを持ち、ふくらはぎに当てるように地面に立てます。

②親指はプレートの内側に置いて、4本の指は外側のプレートをつかみます。

(片面はフラットなプレートを準備すること)

③指の力でピンチグリップして、立ち上がってプレートを10秒から15秒間キープします。その後しゃがんで休憩します。強度を高めるために10〜20回行います。

・ピンチグリップ(指先でつかむ力)

・クラッシュグリップ(握りつぶす力)

・ホールドグリップ(握ったまま離さない力)

最初は軽量プレートから実践、慣れてきたら2枚のプレートを重ねてつまむ時間を長くしていきます。

プレートをつまみながら歩いたりも良いでしょう。

デッドハング

懸垂バーにぶら下がることをデッドハングといいます。

①懸垂バーの真下から順手で持ちデッドハングを60〜120秒間続けます。

②デッドハングは5回〜10回繰り返します。

初心者の場合は20〜30秒間デッドハングを行います。体が揺れないよう体幹を保持して、順手や逆手で実践し色々なハンドグリップでやると握力の強化になります。

・オーバーハンドグリップ(順手)

・リバースグリップ(逆手)

リバースリストカール

リストカールは前腕を強化し、握力を向上させるために行います。リバースリストカールは前腕の外側を中心に鍛えます。通常のグリップカールは前腕の内側をターゲットにします。

①ベンチ台に座ってオーバーハンドグリップ(手のひらを下にして)でバーベルを持ちます。あるいはダンベルを持ちます。

②前傾姿勢になり前腕を膝の上に置きます。

③ウェイトを手首の力を使って上げ下げします。

④10〜15回を3セット行います。

ファーマーズキャリー

ファーマーズキャリーは、握力と持久力を高めるトレーニング方法です。実際は「重いものを持って歩くだけ」ですが、握力・前腕筋、上腕二頭筋と上腕三頭筋を含む上半身の筋肉をターゲットにします。

このファーマーズキャリーはダンベルもしくはケトルベルでおこないます。

①ダンベルを両手に持ち10段階中、8の力で持てるものを持って脇をしめてまっすぐに立ちます。

②コントロールしながら歩きます。

ハンドグリップ

ハンドグリッパーまたはトーショングリッパーは、グリップ力を強化するのに非常に有効です。とくにクラッシュグリップ力を強化できます。

ハンドグリップには様々なレベルがあり、今のグリップ力に合わせて器具を選びます。このトレーニングはある程度の握力レベルが必要なので、最初に軽めのグリップを適切に閉じる方法を学んでからおこないましょう。

軽いグリップで10回ほどグリップしたら、それからステップを上げていきます。回数は8回で2〜4セット行います。

日常的にできる握力を鍛える方法

・未開封のワインボトルやペットボトルを持ちながら移動します。

・厚めの本を2冊持ち、ホールドグリップしながら歩きます。または、出来る限り握力を使って本を握ります。

・タオルを水に濡らして絞っていって、最後の1滴になるまで捻って絞ります。

まとめ

握力が強くなることは、すべてのフリーウェイトやマシンにおいて有利に働き、関節炎に対する抵抗力の向上、腱炎や手根管症候群のリスクの低下、ジムでの怪我のリスクの減少など、握力を向上させることでメリットは大きいです。


「フリーウェイトをいつも落としてしまう」「キーボードを打つと手が疲れやすい」「買い物袋を運ぶときに辛い」「必要なものを持ち上げられない」「手首の関節に痛みを感じる」「日常的な作業をするときに手がつりそうになる」「犬の散歩中に手が疲れる」などの状況がある場合には、握力をトレーニングすることで大きなメリットが得られるはずです。