オリーブオイルの効果

昨今は健康意識の高まりがあり、どの食材にどんな栄養素が入っていて、どのような形で健康を促進するのかに気を配るようになっています。健康をメンテナンスするのに人気があるのは、オリーブオイルを大さじ1〜2杯を摂取することです。今回の記事では、オリーブオイルの健康への効果についてまとめました。
オリーブオイルとは
オリーブオイルは地中海地域で栽培されるオリーブの木から採れます。採取したオリーブは粉砕されペースト状にして、遠心分離によって油を抽出します。最終製品はビン詰めにされ太陽光や酸素を避けて保管されます。
市販のオリーブオイルは、保存のために不透明ガラスに入っています。オリーブオイルは調理以外にもそのまま摂取するだけでも良い効果があります。
Contents
心臓血管の健康をサポートします

第一にオリーブオイルは心臓血管の健康を促進します。地中海の食事が心臓に良いと言われる理由は、あらゆる食事に多くのオリーブオイルが使用されていることです。とくにエクストラバージンオリーブオイルを摂取している人は、心血管疾患を発症するリスクが低いと言われています。
オリーブオイルにはポリフェノールが入っており、そのポリフェノールのオレイン酸が体内の脂肪を減らす効果があるといわれています。体内の脂質レベルが低下すると動脈硬化のリスクが下がり、心血管疾患・脳梗塞の発症リスクが軽減します。
免疫力を高める
オリーブオイルには抗酸化作用があり、自己免疫状態を正常に維持する機能があります。風邪をひいてしまった時に健康的な免疫システムを保つことは重要であり、この免疫システムをサポートするのが、オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)と抗酸化物質(ビタミンE・βカロテン)です。
免疫細胞は良質の脂質を好みます。オリーブオイルの脂質は免疫システムのエネルギーとなって、免疫力を高めることがわかっています。同じ油であっても「バター」や「サラダ油」には、その効果はありません。
脳機能を高める

オリーブオイルは、神経伝達物質を活性化して記憶力の維持を助けます。つまり認知症の発症予防になり、脳の健康をサポートする効果があります。
抗酸化物質であるポリフェノールは、脳の機能を維持し「アルツハイマー病」や「うつ病」などの精神機能低下に役立ちます。まずポリフェノールは、発達に関与する因子である酸化ストレスに対抗できる強力な抗酸化物質として機能します。
がんリスクを軽減する
地中海沿岸諸国のがん発生率が他国に比べて低いのには理由があります。エクストラバージンオリーブオイルの摂取が、大腸がんの予防と関連していると言われています。もちろん魔法のように全てのがんに効果的であるとは言わないですが、「オレオカンタール」「ヒドロキシチロソール」「オレウロペイン」というポリフェノールは、大腸がんや乳がんの発生を抑えます。
オリーブオイルの抗酸化物質だけでも、がんの原因であるフリーラジカルによる細胞酸化や細胞損傷を軽減できます。
抗炎症作用がある
とくにエクストラバージンオリーブオイルには、オレオカンタールが豊富であり天然のポリフェノールと言われています。オレオカンタールは抗炎症作用があり、解熱剤で知られるイブプロフェンと同じ作用を保つことが言われています。慢性的な炎症疾患や関節痛、筋肉痛にエクストラバージンオリーブオイルは効果があります。

オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪は、関節リウマチなどの症状で上昇する炎症マーカーであるCRPを低下させることがわかっています。
骨密度が増える
オリーブオイルのポリフェノールは骨の破壊を阻止し、骨形成を活性化させます。またオレイン酸がカルシウムの吸収を促進しカルシウムが骨に沈着するような働きかけがあります。そのため、オリーブオイルの摂取は骨を強化します。
満腹中枢を刺激する
オリーブオイルは幸せホルモンである「セロトニン」の分泌を促す効果があります。オリーブオイルに含まれる芳香成分がセロトニンの分泌を促すと言われており、セロトニンは満腹中枢を刺激し食欲を抑えることができます。

食事と一緒にオリーブオイルを摂取すると、食べる量が減りダイエットに効果があります。太り過ぎの人は、オリーブオイルを毎日大さじ1〜2杯追加するだけで体重が減少し、オレイン酸によりコレステロールの低下を促進、最終的に体脂肪の減少にも貢献します。
サラダドレッシングを使うのも良いですが、代わりにエクストラバージンオリーブオイルを使ってみたらどうでしょうか。
血糖値をコントロールできる
オリーブオイルは、血糖値の上昇を緩やかにさせ血糖値スパイクを予防できます。オリーブオイルの一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)は、グルコースの吸収を遅らせ血糖値を安定させる効果があります。またHbA1cの改善も期待できます。
一方、飽和脂肪酸(サラダ油など)は炎症を促進し、細胞に悪影響を与える可能性があります。
腸を健康にする
毎食の食事にオリーブオイルを追加することで、オリーブオイルのポリフェノールが消化管の炎症をおさえます。オレイン酸は胃や小腸で吸収されにくく大腸を刺激、すると「腸の動きを活発化」+「溜まっていた便にオイルがコーティング」され便秘の改善になります。
エクストラバージンオリーブオイルの摂取は腸内細菌を増やす効果があり、健康な皮膚・髪・爪にもオリーブオイルの効果があるとされています。多くのスキンケア商品にはオリーブオイルに含まれるオレイン酸トリグリセリドが含まれています。毎日のオリーブオイルは、傷んだ髪の毛と爪を修復し健康を保ちます。

健康に良いからといって大量のオリーブオイルを摂取したいと思う人もいるかもしれません。オリーブオイルのメリットを最大限活かすためには、一日に大さじ2杯までにしておきます。オリーブオイルには大量の脂質が含まれていることを思い出してください。大量の脂質の摂取は、良いことよりも悪いことの方が大きくなる可能性があります。そのため過剰には摂取しないようにしましょう。