プロテインの摂取タイミング

運動直後のゴールデンタイム

運動をすると筋肉の細胞が傷つきます。筋肉の細胞の70%は水で15%はタンパク質からできていて、この筋肉の細胞を修復するのは「タンパク質」という事になります。

運動をするとエネルギー源として「糖質」が利用され、糖質が枯渇するとタンパク質を分解してエネルギーとして利用されます。つまり、運動をすると体内では飢饉状態となっているため、運動直後はエネルギーが吸収されやすい状態となっています。

運動直後30分〜45分以内は吸収されやすい状態なので、ゴールデンタイムにプロテインを摂取すると筋肉に良いという事になります。また、このタイミングを逃すと筋肉の合成力が弱まるという結果も出ています。

糖質と一緒にプロテインを摂取

筋肉を動かすエネルギーは糖質です。筋肉に保存されている糖質を利用して筋肉を動かし、その糖質がなくなるとタンパク質を分解をしてしまい筋肉が分解されていきます。そのため、筋トレ後は「プロテイン」だけでなく「糖質」も同時に摂取する方が良いです。

プロテインが就寝前にいい理由

筋肉の合成能力を高める成長ホルモンの分泌が、22〜2時がもっとも高まる状態になります。そのため寝る前にプロテインを摂取することで、タンパク質の吸収を促してくれるのです。逆にプロテインを摂取しないで就寝すると、筋肉の栄養となるタンパク質が少ない状態なので筋肉の成長はありません。まったく筋肉の成長がなくなるわけではないのですが、激しいトレーニングをしている場合は、通常よりもタンパク質を多く摂取する必要があるため、就寝前のプロテイン摂取は筋肉の栄養となりやすいと言えます。

就寝前はカゼインかソイプロテインが適切

就寝前はゆっくり穏やかに吸収していく「カゼインプロテイン」か「ソイプロテイン」がおすすめです。ホエイプロテインは吸収が早いため、すぐにアミノ酸血中濃度も下がってしまいます。そうならないために、ゆっくり吸収されるプロテインを選択しましょう。ゆっくり吸収されれば持続的にタンパク質を供給し続けられます。

就寝前の摂取はデメリットも存在します

毎日のように就寝前はプロテインなどを摂取していると確実に胃腸の負担になってきます。胃腸が丈夫な人は良いかもしれませんが、1週間に1回は胃腸を休ませることも必要だと思います。また、就寝前のプロテイン飲料の摂取は、夜中に尿意を感じやすくなり就寝の妨げになることもあるので、よく自分の体と相談して「就寝前のプロテイン摂取」を検討していきましょう。

食間のプロテインについて

食間が空きすぎることで筋肉の分解が進むことがあります。食事の消化時間は2〜3時間かかり、脂質の多い食べ物ほど消化時間が長くなることがわかっています。このことから、あまりに食間が空きすぎている場合や一回の摂取量が少ない場合は、食間にプロテインなどで筋肉へ栄養補給をしてあげることは理にかなっていると言えるでしょう。

また、1日のtotal proteinを計算した上で、食間にプロテインを摂取するのも有りと言えます。結論としては、筋肉のカタボリック化を防ぐ目的での「食感のプロテイン摂取」と、total proteinを補うための「食感のプロテイン摂取」はオススメしたいと思います。

朝のプロテイン摂取について

起床時は、通常は胃のなかは空っぽの状態であるため、筋肉への栄養補給がされてないカタボリックな状態と言えます。つまり、筋肉の飢饉状態で血中アミノ酸も低下している状態です。その時にプロテインを摂取することは筋肉へタンパク質を補給することになるので、起床時にプロテイン摂取することは良いと考えられます。ですが、プロテインを摂取してアミノ酸に分解し消化・吸収されるまでのタイムロスを考えると、プロテインの摂取ではなくアミノ酸に分解された「BCAA」もしくは「EAA」の摂取の方が適切であると思われます。

また、プロテインを摂取して朝食を抜きにしてしまうのは、筋肉にとっても各臓器にとっても偏った栄養となってしまうので、朝食を摂取するという前提に立った上で「起床時のプロテイン摂取」は有りか無しで言えば「有り」という事になります。

朝のプロテインは、その人の状況によるところが大きい

睡眠時間が長すぎるような人は、血中アミノ酸も低下しておりすぐにでも栄養(プロテイン)を補給する必要が出てきます。ですが、昨晩に脂質の多い食べ物やアルコール類などで胃腸への負担が大きい場合、肝臓・腎臓への負担が大きいという事になります。そういう場合は、内臓を休ませる意味でプロテインの摂取ではなく、お水や薄めたスポーツ飲料の方が良いという事になります。

一回の食事摂取量が少ない人は、それだけ空腹時間が長いという事になってくるので、朝にプロテインを摂取して栄養補給することは良いでしょう。

プロテインの吸収率を高める方法

炭水化物(糖質)を摂取すると血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると膵臓からインシュリンが分泌されアミノ酸合成が促進されます。そのために「糖質+プロテイン」の同時摂取が吸収率を高めます。筋トレ後に「糖質+プロテイン」「食事と一緒にプロテイン」を摂取すると吸収率が高まるという事になります。

筋トレ後は糖質をエネルギーとして優先的に利用されます。なので、糖質と一緒に摂取するとタンパク質をエネルギー源として利用されないため、アミノ酸の利用を抑制することができます。

筋トレ前のプロテインはオススメしない理由

筋トレ前にプロテインをオススメしたくありません。空腹状態で筋トレをして筋肉の分解を避けたいという気持ちはわかりますが、運動前にプロテインを摂取すると、胃腸に血液が集中してしまうので質の良い筋トレができないからです。お腹に入っている状態で筋トレして満足いくパフォーマンスが出せるなら良いですが、「今日は胸を鍛える日」「足の日だ」などそれぞれ目的のある筋トレをしています。鍛えている筋肉部位に血液を集中させたいので、運動前にプロテインを摂取してはならないのです。

絶対ダメかと言われると「時と場合による」ところが大きいですが、運動の2時間以上前であるならば、ホエイプロテインならば消化吸収されていく時間帯なので「摂取してOK!」とも思えます。

普段から積極的にタンパク質を摂取している人ならば、あえて運動前だからと言って摂取する必要はなく、プロテインを摂取して、そこから胃で消化して小腸で吸収されて筋肉の合成に至る段階までに約12時間かかると言われています。という事は、普段から「食事のバランスに気をつけている人」「プロテインを積極的に摂取している人」は、わざわざ胃腸に負担がかかる運動前にプロテインを摂取する必要はあるのでしょうか?

むしろ筋トレしながら摂取するべき「BCAA」「マルトデキストリン」や、筋トレ前に摂取すると良い「クレアチン」「カフェイン」「ベータアラニン」「アルギニン」「シトルリン」などを摂取した方が、良いパフォーマンスを発揮でき結果的に筋肥大や筋力(パワーUP)につながると思います。