広背筋に効かせる懸垂のやり方

懸垂は腕の筋肉を使うイメージがありますが、実際は背中の筋肉である広背筋をおもに使って懸垂をしています。持ち手にもより上腕を鍛える方法もありますが、今回の記事では、懸垂でも上手に広背筋に効かせるやり方について紹介します。

懸垂について

懸垂とは鉄棒にぶら下がり、自分の体重を負荷にしておこなう自重トレーニングです。自重トレーニングの中でも負荷が強く、自重のみで広背筋をつよく収縮させる事ができ、ジムに通わずに公園や自宅でできるメリットがあります。

懸垂=「チンニング」とも呼ばれます。つまり、懸垂はチンニングであり、チンニングは懸垂です。ラットプルダウンは座っておこなう懸垂のことであり、重量を任意に変えられるマシンのことです。

懸垂で広背筋を鍛えるメリットとは

ジムに通わなくていい

ジムに通わなくてもぶら下がる場所さえあれば懸垂ができます。自宅でも可能ですし、公園で懸垂ができることもメリットです。費用はかからずぞの場で筋トレができるのが魅力と言えます。

強い負荷をかけることができる

自分の体重のすべてを使ってトレーニングができるため、強い負荷をかけることができます。「呼吸は止めない」「一時ストップ」「ゆっくり行う」などで、かなりハードなトレーニングができます。

カッコいい体になれる

広背筋を鍛えると逆三角形のカッコいい体になれます。腰から肩甲骨まで逆三角形に広がる筋肉が「広背筋」です。背中のなかで最も大きな筋肉なので、この広背筋を鍛えることは、カッコいい体になるための一番の近道だと言えます。

姿勢が良くなる

懸垂は背中の筋肉だけでなく、腹筋も大臀筋も使います。広背筋と大臀筋(お尻)はつながっていて、懸垂をすることで背中とお尻、腹筋を鍛えることができます。これらの筋肉を鍛えることで、姿勢も正され身体のバランスが整ってきます。

肩こりの予防になる

懸垂は背中と肩のストレッチ効果があり、懸垂によって筋肉が増すことで血流が改善されます。ぶら下がるだけでも背中の筋肉は伸ばされるので、血行促進の目的であれば懸垂はしなくても効果はあります。

肩こりに悩んでいる方は、肩のストレッチだけではなく背中の筋肉もストレッチさせると効果があるでしょう。

基礎代謝が上がる

身体のなかでも大きな筋肉になるので、背中の筋肉を鍛えることは基礎代謝が UPします。基礎代謝を上げれば痩せやすく太りにくい体質に近づきます。

広背筋を鍛える懸垂/ななめ懸垂編

いきなり懸垂と言われても、そう何回もできる人がいないと思います。懸垂に慣れるために「ななめ懸垂」からトレーニングして、基礎的な筋肉をつけていきます。ななめ懸垂はテーブルを使って地面に足を付いてできるため、自宅でトレーニングができるメリットがあり、初心者でも問題なく取り組めます。

①テーブルの下に潜り込み、縁を両手で持ちます。

②体はななめの状態で、踵は床につけます。

③胸がテーブルにつくまで、上がり下がりします。

④10〜15回3セット以上を目安にする。

丈夫なテーブルを選び安定しているか確認してから行います。

頭から踵までまっすぐにして行います。辛い場合は、膝を曲げて足先を体に近づけて床に下ろします。腰が落ちないよう注意し、手幅は広く持ち背中の筋肉を意識しながら、懸垂してるつもりでトレーニングします。

広背筋に効かせる懸垂のやり方

①手の幅は肩幅よりも広めにして、手の甲を自分に向けて握ります。

②小指がわに力を入れて握り、肩甲骨を広げて下げるイメージでぶら下がります。

③足は交差させて上体より後ろに持っていき、背中を反らします。

④バーを胸に引きつけ、顎はバーよりも上になった状態でキープしてゆっくり下ろします。

手は引っ掛けているだけ、背中を反らして胸でバーを迎えにいきます。手で引かず肘で引き、引いた肘を背中側に引きます。

懸垂で広背筋を鍛えるコツ

反動を使わない

体を揺らして反動を使って懸垂しないようにします。回数目的の懸垂ではなく、あくまで広背筋に効かせるための懸垂なので、間違っても反動は使いません。

トップポジションでキープ

上体が上がりきったトップポジションの状態でキープします。この時が一番広背筋を刺激してくれるので、あえて上体をキープします。足を交差させて上体の後方に持っていくことで大臀筋が収縮、大臀筋と広背筋の筋肉はつながっているので、大臀筋を収縮させることは広背筋を収縮させることになります。足を交差させるだけではなく、上体の後方に足を持っていくことがポイントになります。

毎日やらない

筋肉の回復には約48時間かかります。トレーニングをしたら二日間の休息をとってから懸垂のトレーニングを行います。回復していない状態でやっても筋力が低下するだけです。

懸垂→休息(回復)→懸垂→休息(回復)→懸垂の繰り返しです。トレーニングに慣れてきたら、「動作をゆっくり行う」「回数を変えてみる」「バッグを背負って重くする」など、いつもと違う刺激を入れていきます。

懸垂ができない時の対象方法

懸垂ができない時は必ず「できない原因」があります。そして原因がわかれば対処方法もわかります。一般的には「体重」と「筋力」が原因になっています。

筋肉量が足りていない

懸垂ができない原因は、そもそも筋肉量が足りてない場合がほとんどです。「生涯一度も懸垂をしたことがない人」「日常生活において重いものを持ち上げた事がない人」「ほとんど運動をしてない人」「筋トレとは無縁だった人」は、懸垂にチャレンジしても難しいかもしれません。

懸垂で使うのは広背筋ですが、腹筋や腕の筋肉も使いますのでそれぞれ鍛えていきましょう。広背筋も懸垂に限らず、その他の広背筋トレーニングにも注目して背筋強化をしていきます。

体重が重い

懸垂は自重トレーニングなので、体重が重すぎる人は負荷が高すぎてしまい難しいかもしれません。子供が懸垂するのと大人が懸垂するのとでは体重が違います。体重50kgの人と体重80kgの人とでは、30kgの体重差が生まれてしまい、単純に考えれば体重50kgの人が30kgの重りをつけて懸垂しているようなものです。実際には筋力の差も出てきますが、懸垂においては体重が負荷になるので影響は大きいと言えます。

フォームが間違っている

・握った手の向きは順手かどうか

・背中を反らし足を交差させて後方に持っていっているか

・視線が握ったバーを見ているか

・肩が力みすぎてないか

など、今一度フォームの確認します。

まとめ

日常生活において背中の筋肉を意識することができると猫背が矯正されます。背中からの見た目が違って見えるので大きなイメチェンになり、カッコいい素敵な人だと思われるでしょう。姿勢が正されると心も気持ちも変わります、自分の変化に気づけることは大きなメリットです。