足幅を広げたデッドリフトの正しいやり方

死ぬほど辛いからデッドリフトと言われていますが、このデッドリフトは高重量をあつかうことが多く、全身の筋肉をフルパワーで総動員させてバーベルを持ち上げます。よって筋疲労がハンパなくあって、持ち上げるときの恐怖心にも勝たないといけません。
そんな恐怖のデッドリフト(わたしはそう感じる)ですが、足幅を広げてワイドスタンスにすることで、より高重量を持ち上げることができるようになります。
〜足幅を広げるスモウ・デッドリフト〜
足幅をナロースタイルにするのかワイドスタイルにするのかは、トレーニーの好みによるところが大きいです。しかし誰よりも重くハイパワーを発揮したい場合は、スモウ・デッドリフトで行うのが良いですし、またその方が高重量を持ち上げることができます。
スモウ・デッドリフトで高重量を目指す

スモウ・デッドリフトは足幅を肩幅よりも大きく広げて、両腕を膝の内側に下ろしてバーベルを握ります。足幅を広げることでバーベルを上下する幅が小さくなることで、より重い重量を持ち上げることができるようになります。
これがナロースタイルのデッドリフトになると、バーベルの持ち上げる距離も広がってしまい、ちょっと重量が増えただけでも筋肉への負担が大きくなってきます。この違いは非常に大切で、高重量になればなるほど身にしみて理解できるでしょう。また重量の停滞期を迎えているトレーニーは、デッドリフトのフォームを見直すなど工夫も必要になってきます。
スモウ・デッドリフトで内転筋を鍛える
通常のデッドリフトとスモウ・デッドリフトでは鍛えられる筋肉も違ってきます。通常のデッドリフトでは大臀筋(お尻)、ハムストリングス(太ももの後ろ側)、脊柱起立筋(腰部)、広背筋(背中)をメインに鍛えることができます。
スモウ・デッドリフトでは広背筋と大臀筋とハムストリングはもちろんのこと、内転筋(太ももの内側)も鍛えられることができます。デッドリフトが上手な人は、内転筋が発達していてデッドリフトが上手かどうかも一目でわかるほどです。
腰痛もちの人はスモウ・デッドリフトを
通常のデッドリフトは腰の筋肉をモロに使うために、腰痛の不安がある人にはスモウ・デッドリフトをおすすめします。ですが腰の治療中の人は、スモウ・デッドリフトでさえも腰に負担がかかるためにやらない方がベターです。
スモウ・デッドリフトは広背筋と大臀筋、内転筋には強い負荷がかかりますが、通常のデッドリフトに比べて上半身を前傾させる角度が浅くなるため腰の負担は少なくなります。
デッドリフトのフォーム習得
デッドリフトは正しいフォームを守らないとある程度の重量までしか上がらなくなってしまいます。だからデッドリフトのフォーム習得は特別に大切になってきます。まずデッドリフトは腕力で持ち上げず、下半身と脊柱起立筋と広背筋を使って持ちあげます。
バーベルを腕で持ち上げるのではなく、引っ張るイメージで持ち上げるようにします。フォーム習得までは軽い重量でおこない、鏡でフォームを確認しながら回数を重ねていきます。
最大筋力の向上をねらう

最大筋力とはMAX重量のことであって、1回だけでもなんとか持ち上がる重量のことを指します。スモウ・デッドリフトは高重量をあつかうことになるので、最大筋力をアップさせたいトレーニーに向いています。
通常のトレーニングでは8〜15回を3〜5セット行います。ですが、スモウ・デッドリフトではあつかう重量が違うために、低回数の少セットでトレーニングしていきます。
〜最大筋力を向上させるトレーニング方法〜
その①
スモウ・デッドリフト8回を2セットにして、インターバルは3〜5分と長めに設定します。インターバルを長めに設定することで、次のセットまでに筋肉の回復を促します。
その②
MAX重量まで20kgずつ重量を足していく。最初はフォームの確認のために、20kgのバーベルのみで10回ほどスモウ・デッドリフトを行います。次に60kgの重量にして、10回くらいスモウ・デッドリフトを行います。次は80kgを1回おこない、次は100kgを1回おこない・・・このように20kgずつ重量を足していき、最終的にMAX重量を1回持ち上げ、そこからプラス5kg増やして自分のMAX重量を超えられるようにトレーニングしていきます。
その③
重量をギリギリ上がる重さに(MAX重量よりも低く)設定して、スモウ・デッドリフト5回2セットにします。インターバルは3〜5分と長めに設定します。MAX重量に近い重さでもクリアできるよう、スモウ・デッドリフトの回数を少なくするのがポイントです。
筋肥大を目的とする場合

筋肉を太く大きくしたい場合は、スモウ・デッドリフトを8回〜15回できる重量に設定します。インターバルはできるだけ短い方がよいので、1分〜2分のインターバルを目安にしてトレーニンングをします。
最低3セットおこない、目標は5セットにします。スモウ・デッドリフトでは高重量をあつかうのでフォームが崩れやすいです。そのため怪我もしやすくアンバランスな筋肉体型にならないよう注意していきましょう。
狙った筋肉をガチガチに意識する方法
せっかく高重量で追い込むのですから、特に背なか(広背筋・脊柱起立筋)は意識していきたいところです。ですが、高重量のデッドリフトで追い込むと意識したい筋肉も意識しずらくなってしまいます。
デッドリフトは全身の筋肉を使ってバーベルを持ち上げていくため、背なかだけを意識することが難しくなります。そんな時はリストラップを使って背中を意識するようにしましょう。リストラップは握力を使うことなくバーベルを持ち上げることができるため、より広背筋と脊柱起立筋を意識しやすく、集中して筋肉に追い込みをかけることができます。
バーベル以外でのスモウ・デッドリフト

バーベルに限らずダンベルでもスモウ・デッドリフトをすることができます。ダンベルでのスモウ・デッドリフトは、バーベルよりも軽い重量になっていくため背なか(広背筋・脊柱起立筋)を意識しやすいですし、デッドリフトでのバランスの取り方が上手になってきます。
ケトルベルを使ったスモウ・デッドリフトもありますが、ケトルベルを置いているスポーツジムが少ないです。いずれにせよダンベルでもケトルベルでも軽い重量になるため、できるだけスモウ・デッドリフトの回数を重ねて、持久力の向上やフォームの習得に留意していきましょう。